ハゲ薄毛改善に有効な治療法は何でしょう?第2弾
前回記事「ハゲ薄毛改善に有効な治療法まとめました【その1】」の続きです。
今回も日本皮膚科学会から発表されている「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」に沿って,有効なハゲ薄毛改善方法をまとめたいと思います。
前回記事では
✔フィナステリドの内服
✔デュタステリドの内服
✔ミノキシジルの外用
✔植毛(自毛植毛と人工毛植毛)
✔LEDおよび低出力レーザー照射
✔アデノシンの外用
について紹介しました。
結論を言うと,まとめ【その1】の方でB(勧める)以上の評価を得たaga治療は以下のとおりでした
aga治療内容 | 推奨度 |
---|---|
フィナステリド内服 | A(男性のみ)(強く勧める) |
デュタステリド内服 | A(男性のみ)(強く勧める) |
ミノキシジル外用 | A(男女ともに)(強く勧める) |
植毛 | B(自毛植毛で男性のみ)(勧める) |
LEDおよび低出力レーザー | B(男女ともに)(勧める) |
アデノシン外用 | B(男性のみ)(勧める) |
今回紹介するaga治療に関してはすべてC(行ってもよい)評価以下のものですが,一応,治療内容を紹介します。
ガイドライン作成の背景や推奨度(治療法の有効性)の分類,AGAの概念などについては↓の前回記事をご覧ください。
目次
1.治療内容
(1)カルプロニウム塩化物の外用
推奨度:C1
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:カルプロニウム塩化物の外用を行ってもよい.
そもそもカルプロニウム塩化物ってあまり聞いたことないなと思って調べたところ,外用薬として普通に販売されてたりするようです。
効果としては,皮膚の血管を拡張して,血流をよくする作用があります。
なので頭皮に使うと脱毛防止,発毛効果が期待できるといった感じです。
ミノキシジルと似たような効果を持つ外用薬といったところでしょうか?
カルプロニウム塩化物の外用・・・皮膚の血管を拡張して,血流をよくする。頭皮に使うと血管拡張により脱毛防止,発毛効果が期待できる。
以下,具体的な分析内容
5%カルプロニウム塩化物を用いた,6 名の男性被験者を対象とした観察期間 1 カ月間の二重盲検非ランダム化比較試験において,6 例中 4 例で脱毛減少あるいは発毛がみられ,有効と判断された.一方,カルプロニウムを含まない偽薬では有効例はなかった.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
10%カルプロニウム塩化物外用薬を用いた,4 名の男性被験者を対象とした観察期間77日間から129日間の症例集積研究では,4 例中 2 例で脱毛の抑制及び軽度の発毛効果を示し,有効と判断されている.
5%カルプロニウム塩化物外用薬を用いた,5 名の男性被験者を対象とした観察期間 3 から 6 カ月間の症例集積研究において,5 例中 3 例でやや有効との結果が報告されている.
また,1%カルプロニウム塩化物にカシュウチンキ,チクセツニンジンチンキの生薬などを添加した外用薬を用いた,30 名の男性型脱毛症を対象とした観察期間3 カ月の症例集積研究において,有効以上 20%,やや有効以上 60.0%であった.なお本研究には女性患者も含まれているが,男女比の記載はない.さらに 2%カルプロニウム塩化物に上記の生薬とヒノキチオール等を添加した育毛剤を用いた,75 名の男性被験者及び 11名の女性被験者を対象とした観察期間 24 週間の症例集積研究において,改善率が男性 26.7%,女性54.5%であった.
✔10%カルプロニウム塩化物外用薬では4例中2例で有効な効果が出ている(症例数が少ない・・・?)
✔5%カルプロニウム塩化物外用薬では5例中3例でやや有効とのこと
(症例数が少ない・・・?)
✔1%カルプロニウム塩化物に生薬などを添加した外用薬では30名の男性を対象・・・有効以上20%,やや有効以上60%(症例数もそこそこいるので良い効果が出ているのでは?)
✔2%カルプロニウム塩化物に生薬などを添加した外用薬では75名の男性及び11名の女性を対象・・・改善率が男性26.7%,女性が54.5%(女性のほうが効き目がある?)
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
カルプロニウム塩化物の外用での有用性は,現段階では十分に実証されていない.しかし,5%カルプロニウム塩化物は長年にわたり保険適応となっており,生薬との合剤を含むわが国での膨大な診療実績を考慮し,行ってもよいことにする.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
症例数が少ない研究が多く,有効性は十分に実証されていないという評価に・・・
しかし,生薬を合わせた診療実績が考慮され,治療法として行ってもよいという結果になりました。
カルプロニウム塩化物の外用・・・研究においての症例数が少なく有効性は十分に実証されていないとの評価。
しかし,生薬を合わせた診療実績もあり,「行ってもよい」と評価されています。
(2)t-フラバノンの外用
推奨度:C1
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:行ってもよい.
またもや聞いたことない単語が出てきたので調べたところ、t-フラバノンとは
花王株式会社が独自に開発した育毛成分
だそうです。
t-フラバノンは花王株式会社が独自に開発した育毛成分である
花王の2000種以上の生薬ライブラリーの中から、「西洋オトギリソウ」のエキス、さらに、その中の「アスチルビン」という成分が、毛髪の素となる毛母細胞を増殖促進する高い作用を持っていることをつきとめました。
花王株式会社ホームページ
このアスチルビンを手がかりに、より安定した高機能な化合物を得るため、分子設計・化合物の合成・効果検証を繰り返した結果、開発されたのが、t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)です
花王ってこういった研究もしてたんですね。驚きです。
以下,具体的な分析内容
t- フラバノン配合育毛剤を用いた,14 名の男性被験者を対象とした観察期間 6 カ月の非ランダム化比較試験において,毛髪径が増大し,特に新生毛の毛径平均値が試験開始時と比較して約 20%増大していた.また,外用 4 カ月後と 6 カ月後に抜け毛数が有意に減少し(20%以下),プラセボでは変化がなかった.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
また,t-フラバノン配合育毛剤と市販育毛剤(成分不明)を用いた,197 名の男性被験者を対象とした観察期間 30 週間の非ランダム化比較試験において,軽度改善以上の改善率は,t-フラバノン配合育毛剤群は53.1%,市販育毛剤群は 34.8%,プラセボ群は 17.9%であり,t-フラバノンと市販育毛剤群ではプラセボ群より有意な改善効果を示した.毛髪径 40 μm 以上の硬毛数は,t-フラバノン配合育毛剤群,市販育毛剤群では増加するものの,プラセボ群では減少した.
さらに,0.1%および 0.3% t- フラバノン配合育毛剤を用いた,77 名の男性被験者を対象とした観察期間 30週間のランダム化比較試験において,軽度改善以上の改善率は,プラセボ剤群は約 40%,0.1% t-フラバノン配合育毛剤群は約 75%,0.3% t-フラバノン配合育毛剤群は約 70%であった.なお,女性型脱毛症に対するt-フラバノンの有効性を示す信頼性の高い報告はない
✔t-フラバノン配合育毛剤と市販育毛剤(成分不明)を用いた,197 名の男性被験者を対象とした比較試験・・・軽度改善以上の改善率は,t-フラバノン配合育毛剤群は53.1%,市販育毛剤群は 34.8%,プラセボ群は 17.9%
✔0.1%および 0.3% t- フラバノン配合育毛剤を用いた,77 名の男性被験者を対象とした比較試験・・・軽度改善以上の改善率は,プラセボ剤群は約 40%,0.1% t-フラバノン配合育毛剤群は約 75%,0.3% t-フラバノン配合育毛剤群は約 70%
✔女性型脱毛症に対する信頼性の高い報告はない
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
男性型脱毛症に対する t-フラバノンの発毛効果に関しては,有効性を示す弱い根拠が存在するので,外用を行ってもよいことにする.一方,女性型脱毛症に対する有効性を示す根拠はまだ不足しているが,副作用が軽微な点も考慮し,行ってもよいことにする.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
男女ともにt-フラバノンの外用は「行ってもよい」という結果に
t-フラバノンに関して,男性は有効性を示す弱い根拠があり,治療を「行ってもよい」という評価に。
女性は根拠が不足しているが副作用が軽微な点を考慮して,治療を行ってもよい(C1)という評価に
(3)サイトプリンおよびペンタデカンの外用
推奨度:C1
推奨文:サイトプリン・ペンタデカンの外用を行ってもよい.
また,聞きなれない「サイトプリン」「ペンタデカン」という単語が出てきたので調べてみました。
どちらも育毛剤で使われている成分のようです。
どちらの成分もたんぱく質を活性化させて,発毛を促進するようです。
サイトプリンおよびペンタデカンは育毛剤で使用されている成分
以下,具体的な分析内容
2.5%ペンタデカン酸グリセリド(PDG)含有育毛剤を用いた,75 名の男性被験者を対象とした観察期間 24 週間のランダム化比較試験において,やや有効
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
以上の有用率は PDG 群は 76%,対照群は 32%であり,PDG 群は対照群と比べ有意に高かった.
次いで女性型脱毛症に関して,2.5%ペンタデカン酸グリセリド(PDG),酢酸トコフェロール 0.2%含有育毛剤を用いた,33 名の女性被験者を対象とした観察期間 6 カ月の症例集積研究において,毛髪所見を洗髪時等の抜け毛の量,軟毛の発生,軟毛から硬毛への変化と毛髪所見をもとにした総合的な改善度を 5 段階で評価し,毛髪外径の変化を根元および根元から 6 cm の部位の毛髪外径および,両者の比から毛髪外径増加率を評価した.毛髪所見をもとにした総合的な改善度評価で軽度改善以上を有効とする有効率は 79%,毛髪所見で軽度改善以上の改善率は,洗髪時等の抜け毛量の変化では 76%,軟毛の発生は 64%,軟毛から硬毛への変化は 76%,毛髪外径増加率は 4.1%であった.
✔男性の比較試験ではペンタデカン酸含有育毛剤は対照群と比べて,有意な効果が出ていた
✔女性の比較試験でも軽度改善以上を有効とする有効率が79%とそこそこ高い有効率
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
以上のように,サイトプリンとペンタデカンの発毛効果に関しては,有効性を示す弱い根拠があるので,副作用が軽微な点も考慮し,これらを含む育毛剤の外用療法を行ってもよいことにする.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
発毛効果に関しては,有効性を示す弱い根拠があり,副作用が軽微な点も考慮し,外用治療を行ってもよい(C1)という結果に
(4)ケトコナゾールの外用
推奨度:C1
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:ケトコナゾールの外用を行ってもよい.
また,聞いたことない成分「ケトコナゾール」が出てきたので,検索してみました。
「ケトコナゾール」は皮膚の常在菌に対する抗菌作用を持っており,頭皮のふけやかゆみを抑えてくれるそうです。
最近の研究では抗菌作用以外に,発毛作用や皮脂の抑制作用もあることが分かってきたそうです。
以下,具体的な分析内容
先ず 2%ケトコナゾール(KCZ)シャンプーと市販のシャンプーを用いた,27 名の男性被験者を対象とした観察期間 21 カ月の非ランダム化比較試験において,pilary index(PI)=成長期毛率(A%)×毛髪直径平均値(Dμm)は,2% KCZ 群では使用開始 6 カ月より増加し,15 カ月目以降はプラトーとなった.一方,対照群(12 名)の PI 値は時間経過とともに徐々に減少した.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
次いで 2%ケトコナゾール(KCZ)含有ローションを用いた,6 名の男性被験者を対象とした観察期間 10~12 カ月間の症例集積研究において,皮膚科医による評価で 6 例中 2 例で著明な発毛を認めた.
さらに,2% KCZ ローションを用いた,17 名の男性被験者を対象とした観察期間 6 カ月間の症例集積研究において,皮膚科医による改善度評価で,脱毛の程度は投与前には高度 10 例,中等度 7 例が,治療 6 カ月後に高度 1 例,中等度 12 例,軽度 4 例に改善した.
また,2% KCZ シャンプーとフィナステリド内服(1 mg/日)を併用した,10 名の男性被験者を対象とした観察期間 12 カ月の非ランダム化比較試験において,3 人の皮膚科医師の診察による毛髪の成長もしくは脱毛程度を 5 段階で評価したが,フィナステリド内服(1 mg/日)のみと,2% KCZ シャンプーとフィナステリド内服(1 mg/日)の併用群で有意差はなかった.
✔ケトコナゾールシャンプーと市販のシャンプーを用いた比較試験においては,ケトコナゾールシャンプーのほうで,使用開始6か月より効果が見られた
✔ケトコナゾール含有ローションでは6例中2例で著名な発毛
✔ケトコナゾールシャンプーとフィナステリド内服を併用した比較試験ではフィナステリド内服のみの場合とシャンプー・内服併用で有意差はなかった
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
以上のように,男性型脱毛症に対するケトコナゾール外用の発毛効果に関しては,有用性を示す弱い根拠があるので,外用を行ってもよいことにする.一方,女性型脱毛症に対する有効性を示す根拠は未だ不足しているが,副作用が軽微な点も考慮し,同じく行ってもよいことにする.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
男性に関しては有用性を示す弱い根拠があり,外用を行ってもよい(C1)という結果に。
女性に関しては有効性を示す根拠は不足しているが副作用が軽微な点も考慮し,行ってもよい(C1)という結果に
(5)かつらの着用
推奨度 C1
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:かつら着用を行ってもよい.
以下,具体的な分析内容
26 名の男性被験者を対象とした,かつら使用前後にアンケート調査を実施した症例集積研究において,患者の quality of life(QOL)や満足度を客観的に示す(略)満足度の変化に正の相関(P<0.05,Spearman’s rankcorrelation coefficient)を示した(略)
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
かつらの着用による副作用は特に報告されなかった.
20 名の女性被験者を対象とした,かつら使用前後にアンケート調査を実施した症例集積研究において,患者の QOL を客観的に示す(略)女性被験者では,かつらの使用により重症度に関わらず QOL は向上したが,QOL が向上しても満足度が高まる結果ではなかった.
かつらの着用による副作用は特に報告されなかった.
✔男性はかつら着用により,QOL,満足度の変化に正の相関があった
✔女性はかつら着用により,QOLは向上したが,満足度は高まらなかった
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
以上より,かつら着用は脱毛症状を改善するものではないが,通常の治療により改善しない場合や,QOLが低下している場合に,行ってもよいことにする.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
かつら着用は脱毛症状を改善するものではないが,通常の治療により改善しない場合や,QOLが低下している場合に,行ってもよい(C1)という結果に
(6)ビマトプロストおよびラタノプロスト外用
推奨度:C2
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:ビマトプロストおよびラタノプロストの外用を行わない方がよい.
「ビマトプロスト」・「ラタノプロスト」とまた知らない単語が出てきたので調べてみました。
本来は緑内障における眼圧降下目的で使用されていましたが,まつげを伸ばす作用もあったらしく点眼薬として使用されているようです。
髪の毛の発毛とは少し違う・・・?
「ビマトプロスト」・「ラタノプロスト」はまつげを伸ばす点眼薬として使用されているそう
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
0.1%ラタノプロストを用いた,16 名(平均年齢 23~35 歳,Hamilton 分類 II~III)の男性被験者を対象とした観察期間 24 週間のランダム化試験において,プラセボ対照との左右比較による発毛効果の評価により,治療群では 50%が改善,44%が変化なし,6%が悪化した.また画像解析では,治療群の毛密度が上昇していた.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
なお,本邦ではラタノプロストは毛包を作用対象とした外用剤として承認されていない.また,これらの薬剤は広範囲に外用する場合の安全性も確認されておらず,高価であり経済的負担も大きい.
ビマトプロストがヒト頭皮由来毛包の器官培養系にて発毛促進効果を示したことから,睫毛以外にも発毛促進効果を示す可能性は否定できないが,未だ臨床試験による検証は実施されていない.
(7)成長因子導入および細胞移植療法
推奨度:C2
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推奨文:成長因子導入および細胞移植療法は行わないほうがよい.
以下,具体的な分析内容
毛誘導能をもつ間葉系細胞の直接移植,あるいはその分泌物を含む培養上清からの生成物などを脱毛症の罹患部に注入し発毛促進効果を期待する治療が試みられようとしている.なかでも脂肪組織由来幹細胞の培養上清由来物質,あるいは platelet richplasma(PRP)の発毛促進効果について,ランダム化比較試験,症例集積研究が実施されている.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
しかし,これらの臨床試験の多くは,限られた施設における,倫理委員会の承認を必要とする先進医療の段階にあり,安全性なども含め,その有効性は決して十分に検証されているとはいえない.
✔安全性なども含め,その有効性は十分に検証されているとはいえない
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
以上から成長因子導入・細胞移植療法は今後が期待される治療法ではあるものの,「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」などの法規に則って施術する必要のあるものも多く,現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため,行わない方がよいことにする.
現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため,行わない方がよい(C2)という結果に
(8)ミノキシジルの内服
推奨度:D
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
推薦文:ミノキシジルの内服を行うべきではない.
解説:ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない.
ミノキシジルの外用は行うよう強く勧める(A)という評価でしたが,ミノキシジルの内服は行うべきではない(D)という評価になっています。
以下,具体的な分析内容
ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では認可されていない.また,男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない.それにもかかわらず,全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に,医師が安易に処方したり,一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので,医薬品医療機器等法の観点から問題視されている.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく,内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に,胸痛,心拍数増加,動悸,息切れ,呼吸困難,うっ血性心不全,むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある.
✔ミノキシジルは元々降圧剤として開発された
✔男性型脱毛症(aga)に対する治療薬として認可されている国はない
✔全身の多毛症を引き起こす副作用
✔多毛症以外の副作用の報告は少ない
上記の研究結果から以下のようにまとめられています。
以上のように,ミノキシジルの内服療法は,利益と危険性が十分に検証されていないため,男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる.
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
ミノキシジルの内服はまだ十分に検証されておらず、男性・女性ともに行わないように強く勧める(D)という結果に
2.まとめ
今回紹介した
✔カルプロニウム塩化物の外用
✔t-フラバノンの外用
✔サイトプリンおよびペンタデカンの外用
✔ケトコナゾールの外用
✔かつらの着用
✔ビマトプロストおよびラタノプロストの外用
✔成長因子導入および細胞移植療法
✔ミノキシジルの内服
はすべてC(行ってもよい)以下の評価でした。
やはり治療で行うべきは↓のB(治療を勧める)以上の評価の治療だと思います。
aga治療内容 | 推奨度 |
---|---|
フィナステリド内服 | A(男性のみ)(強く勧める) |
デュタステリド内服 | A(男性のみ)(強く勧める) |
ミノキシジル外用 | A(男女ともに)(強く勧める) |
植毛 | B(自毛植毛で男性のみ)(勧める) |
LEDおよび低出力レーザー | B(男女ともに)(勧める) |
アデノシン外用 | B(男性のみ)(勧める) |
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